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vol. 1

オーストラリアの社会福祉制度(1): オーストラリア国外で生まれた人を対象に社会福祉サービスを提供する(Migrant Resource Centre)の紹介/カルチャーショックってなあに?/カルチャーショックについての簡単な解説

2020-01-21

ニュースレター創刊のご挨拶

HOPE CONNECTION INC. 会長 古川 玲子

この度、ホープコネクション発足以来の課題でありましたニュースレターを発行することになりました。ニュースレターを通して、皆様にこの団体の存在をお知らせし、活用していただけるようになれば幸いです。ホープコネクションとは、一言でいうと、文字どおり「希望への架け橋」を主旨にした、メルボルンに住む日本人をサポートするボランティアグループです。日本国内であっても、故郷を離れて住むとストレスが溜まります。まして、異国の地に住むとなると、言葉の問題、情報不足、法律問題、医療問題等、ストレスの原因が溢れています。知人、友人の数も、滞在初期においては、ごく限られており、適応を難しくしております。その知人の役目をするのが、このホープコネクションです。セルフヘルプ(最終的には相談者本人が問題を解決する)が原則ですが、ボランティアのアドバイスの域を越えた問題の場合は、専門家に紹介いたします。このグループでは、日本人の精神科医、ソーシャルワーカーがボランティアを指導しサポートしています。また当団体の事務所でもある、マイグラントリソースセンターの全面的バックアップにより、日本語通訳付きで、オーストラリア人ソーシャルワーカーも相談にのりますので、ご利用下さい。 さらに、今後は他の団体とも連携と協力を深め、充実したサービスの提供ができるよう会員一同努力してまいりたいと存じます。

ホープコネクション電話相談のご案内

ホープコネクションでは、96年8月より電話相談を開始しております。生活の中でどうしてよいかかわからず困っている方、相談相手のない方、悩み事を誰かに聞いてもらいたい方、お電話をいただければ、訓練を受けたボランティアの相談員が、ご一緒に考えます。内容によっては専門家にご紹介もいたします。さらに現在では、マイグラントリソースセンター(移民者のための窓口となる公共団体)をはじめとする、オーストラリアのサービス機関とも協力、連携を深め、ネットワークを広げています。電話番号:017-874-824(相談は無料ですが、携帯電話(NEC提供)のため、時間単位の通話料金がかかります)受付時間:月~土曜日 午前10時から午後3時まで。

オーストラリアの社会福祉制度 (1)

ラトローブ大学ソーシャルワークコース

HOPE CONNECTION 顧問 ソーシャルワーカー 水藤 昌彦

皆さん普段生活されていて「社会福祉制度」と言われてもピンと来ない方が多いのではないでしょうか。そこで今回は具体的にどのようなサービスが、どこに行けば受けられるのかを簡単に紹介してみたいと思います。オーストラリアには様々な社会福祉サービスを提供している政府機関、非政府機関があります。たとえば各種年金・給付金などはDepartment of Social Security (DSS)という連邦政府の官庁が担当していますし、精神的な問題については Community Mental Health Centreという半政府系の機関が設置されています。また家庭内暴力や性的犯罪の被害者に対する援助の分野ではWomen\'s ShelterやCentre Against Sexual Assault (CASA)といった団体が活動しています。これらの各種サービスの内容や連絡先については「イエロー・ページ」のはじめのところにまとめて 載っていますので、これを見てご自分でそこに電話されるのもひとつの方法です。しかし、実際に様々な団体によって数多く提供されているサービスの中から自分が直面している問題に最適なものを見つけだすとなると、これはなかなかたいへんな問題です。そのうえオーストラリアで生まれていない方の場合は、言葉、ビザ・ステータスなどといったことも考える必要がでてきます。そこで現在ではオーストラリア以外で生まれ、この国に移住あるいは滞在している人を専門に、社会福祉サービスの提供を行うMigrant Resource Centre (MRC)という機関が設置されています。MRCはオーストラリア全土にあり、メルボルンの場合はすべての地域をカバーするように複数のMRCが置かれています。ですから、皆さんの住んでいらっしゃる地域のMRCに行けばそこにいるソーシャル・ワーカーが相談にのってくれます。また、問題によって他の専門機関に行ったほうが効果的な場合は、適切な機関への紹介をしてくれます。 このMRCのサービスは他の社会福祉団体と同じ様に無料で提供され、もちろん相談内容は秘匿されますし、ワーカーはソーシャル・ワーク等の学位を持った専門家です。問題を抱えているがどのように解決すればよいのか判らない、あるいはどこに相談すればよいのか判らないという場合、まずMRCに連絡してみれば解決に通じる具体的な助言を得られることは多いと思います。実際の相談方法としては、ご自宅の近くにあるMRCに電話をしてソーシャル・ワーカーへ会うための予約を取り直接会いに行くか、あるいは簡単な問題であれば電話で相談をすることになります。残念ながらいまのところ日本語を話すソーシャル・ワーカーはいませんが、通訳が必要な場合はMRCが無料で通訳の手配をしてくれます。またSt. KildaにあるSouth Central Region MRCでは筆者が毎週金曜日にボランティア・ワーカーとして日本語によるサービスを行っています。South Central Region MRC の連絡先は9525-4622、その他の地域のMRCの連絡先は「イエロー・ページ」を参照してください。ホープ・コネクションが行っている電話相談(Tel 017-874-824、月~土、10:00am~3:00pm)を通してMRCのサービスを紹介してもらうこともできます。

カルチャーショックってなあに? (1)

精神科医・ホープコネクション顧問 南川 節子

オーストラリアに来てどのくらいですか?住みごごちはいかがですか?カルチャーショックを感じていませんか?「今日ね、シティに出かけたんですけど、街の真ん中を裸足で歩いている人を見たんです。最初は変な人がいるもんだと思ったんですけど、ひとりじゃないんです。あちこちにいて、びっくりするやら、あきれるやら。」「緊急の用件で取引先に電話したところ、担当の人が休暇を取っているからその件に関して今はわからないというんです。代理に人を出してくれといっても、彼が来週帰ってくるからその時に電話してくれというばかり。日本じゃ考えられないことですよね。どうなってんだかこの国は。」生まれ育った国を離れて異国の地で生活を始めると、様々な”違い”に出会うことになります。言葉はもちろんのこと、気候の違い、生活習慣の違い、人付き合いの在り方の違い、社会制度の違い、などなど数え上げればきりがありません。理屈では違いがあることは当たり前だと思っていても、日本では常識であったことが通用しないとなると、気持ちが動揺し、途方にくれてしまうものです。移り住んだ土地の生活になれて、とまどったり驚いたり途方にくれたりする事が少なくなってくるまでのしばらくの間は、誰でも心身ともに不安定になるものです。この時期現れてくる精神的あるいは身体的な症状を総称してカルチャーショックといいます。では具体的にどんな症状が出るのでしょうか。
◆自分にとってなじみが無く新しい物事に出会ったときのとまどいと緊張感や、どうしたらいいかわからない不安をしばしば感じる。
◆日本でなら簡単にできていたことが簡単でなくなってしまうために、自分がつまらない、能力のない者であるかのように感じて、不能感、劣等感や無力感を感じる。
◆いらいら、焦り
◆コミュニケーションがうまくいかないために孤立しやすく、周囲から拒絶されているように感じる。
◆孤独感、ホームシック
◆眠れない、眠りが浅い。
◆食欲がない。
◆下痢や便秘
◆持病の悪化
普通、こういった症状は一過性のもので、新しい生活に慣れるにしたがって、数週間から数カ月で消えていきます。カルチャーショックは、生まれ育った文化から他の文化に移り住んだ人誰にでも起こりうる一時的な反応なのです。カルチャーショックをうまく乗り切る方法については、次回に譲りたいと思いますが、今この問題で困っておられる方に一言。慣れるまでの辛抱です。でももし、何カ月も同じような状態で悩んでいるとか、自分だけの力ではどうしようもないと感じるとかいったことがあれば、専門家の援助を求められることをお勧めします。ホープコネクションの電話相談もご利用下さい。

ビザ最新情報 -コンセッショナル・ファミリーのビザ発給数に上限を設定-

<編集部注>当コーナーは、日本ブレーンセンター・オーストラリアの山口氏のご厚意により、同社発行の情報を転載させていただきました。政府は1996年12月30日、1996~97年度に発給する独立移住及びコンセッショナル・ファミリーのカテゴリーに関して、ビザの発給数に上限を設けることを発表しました。これにより、今年度に発給される各ビザの数は、それぞれ、独立移住ビザが15000人、コンセッショナル・ファミリー・カテゴリーが7300人と限定されることになります。地方移住に関しては700人が別枠で設けられています。主な発表の内容は、以下の通りです。
◆この発表内容は、既に、1996年7月3日のメディア発表の中でも予定されていたものです。
◆ビザの発給数に上限を設定することは、前政府が1993年にポイント・テストの合格点を、維持できないほど低くした結果として、あまりにも膨大な数の申請が提出されている現状に、歯止めをかけるためにも必要と判断したためです。
◆連邦政府は、前政府から引き継いだ、独立移住ビザ65000人、コンセッショナル・ファミリーのカテゴリーで、34000人分の申請を既に受け取っています。
◆政府は、両方のカテゴリーに対してポイント・テストの合格点を引き上げ、より高い技術を持つ申請者を受け入れる方向で、前政府自体からの申請者の需要に応えるべ く迅速に対応しています。
◆1996~97年度の後半まで、ビザの発給数は上限には達しないと思われるが、この発表を行った理由の一つは、今後これらのカテゴリーにおける申請者に対して、 より明確なガイドラインを与えることです。
◆この2つのカテゴリーでは、発給数が上限に達した後も、そのまま審査を継続し、 申請順に翌年度(1997~98年度)のビザ発給枠が発表された後に、その基準を 満たせばビザを取得することができます。
◆1996年12月11日付で、インターデペンデンシーアレンジメント (Interdependency Arrangement)のもとに同性愛者ビザを申請し、ビザ取得後オース トラリアに入国する方に対しても、配偶者ビザ、デファクトビザ同様に、2年間の仮 の永住権が発給されます。
◆1996~97年度のインターデペンデンシーアレンジメントによるビザの発給枠 は、海外からの申請に関しては、上限を100人までと設定しています。 上記の通り、移民法は頻繁に変更となりますので、お問い合わせは、日本ブレーン センター・オーストラリア(Ph:02-9262-5444)の山口または福田まで、日本語でお気 軽にお問い合わせ下さい。

メルボルン・休日の過ごし方 -基礎編その 1-

あなたはメルボルンにどのくらいお住まいですか?いらしたばかりの方、来てもう 2、3年だけれどもまたすぐよそへ行かれる予定の方、もうずっとこちらに長い方 等々皆様それぞれかと思いますが、休日はいかがお過ごしですか?基礎編として今回 はまず、観光バスが立ち寄るスポットをご紹介しましょう。メルボルン新人の方は勿 論、長くお住まいになっていらっしゃる方々も、久々に初心にかえって観光名所へ 行ってみませんか? メルボルンには毎日沢山の日本人観光客が訪れていますが、殆どのツアー日程では メルボルンは2泊のみ、1日目空港着、着後市内観光、2日目、午前中自由行動、午 後フィリップ島ペンギンパレード、3日目、午前中のフライトで次の目的地へ、とい うのが典型的のようです。ではこの市内観光、一体どこへ立ち寄るのかというと、勿 論各社によって違いはありますが、一般的にはビクトリアマーケット、リアルトタ ワー展望台、フィッツロイ庭園、美術館、植物園、そしてコモハウスといったところ が代表的なスポットでしょうか。皆さんは上記の場所、すべてクリアされましたか? 5年前に行ったことがある、なんて方!もう一度行かれてみてはいかが?つい最近行 かれた方も、季節によってまた違った催しがありますから、常にチェックされると倍 楽しめるかも。催し物の情報は、空港や免税品店においてある無料の小冊子や、市内 各所にあるインフォメーションブースにて入手するのが簡単です。