ニュースレター 8号

ホープコネクションからの挨拶

HOPE CONNECTION INC. 会長 デービス 洋子

 年頭にあたり新たな気持ちで本年もHope Connectionの活動を続けていく所存で お ります。さて、昨年のHope Connectionの活動の一つであるカルチャースクールは、 「政治入門講座」で始まり、「メルボルン新人生活講座」「賢い納税者のためのセミ ナー」「借家問題」と我々に密接な課題を取りあげて開催し、好評を博すことが出来 ました。Hope Connectionのカルチャースクールは、メルボルン在住の皆様に徐々に 定着してきたように感じられ、大変嬉しく思っております。
 オーストラリアにおける日本人社会は、他のエスニックグループとは少し異なり、 永住者の割合が少ないという特徴がございます。それ故、こちらの生活、習慣などの 事情が分かってきた頃にご帰国される方も多くおられます。逆に新来豪の方々にとっ ては戸惑いを感じられることもあるでしょう。このような日本人社会の状況を念頭に 置き、Hope Connectionは、常に広い範囲にわたって情報提供が出来るようカル チャースクールを企画しております。一時滞在の方はもとより永住者の方々にもお役 に立っているということは大変励みになっております。
 1999年度第一回カルチャースクールは、2月に予定しております。世界的傾向 となっております高齢化社会、その対策としてヴィクトリア州における養護施設一般 について、ソーシャルワーカーのモリス・ミハールさん、高齢者ケアの問題に携わっ ているBallarat Health Service 国際医療福祉教育研修センターのプログラムマネー ジャーのマーフィー洋子さんの両者をお招きして開催いたします。詳細は最終頁のカ ルチャースクールのお知らせをご覧下さい。
 Hope Connectionの電話相談、カルチャースクール活動が、皆様の身近な活動とし て今後もご利用いただけますことを願っております。

好評!カルチャースクール

 今回は、弁護士のTimothy McDonald氏にお願いし、不動産の賃貸契約、借りると き、出るときの注意事項、又貸し、テナントの責任、家主の責任等々、ケーススタ ディを元に具体的に説明していただきました。
 前半のケーススタディは日本語で、後半の質疑応答は通訳を交えて日本語と英語で 講義していただきました。資料も、Office of Fair Trading & Business Affairs発 行の最新版"Renting Statement of Rights and Duties"やCondition Receiptのサン プル、いざというときのクレーム機関の電話番号等が配布されました。会員の方から 「役に立った」という多くの感想をいただきました。ありがとうございました。

こんな時どうする!不動産の賃貸借トラブル

 今回は、弁護士のTimothy McDonald氏にお願いし、不動産の賃貸契約、借りる と き、出るときの注意事項、又貸し、テナントの責任、家主の責任等々、ケーススタ ディを元に具体的に説明していただきました。  前半のケーススタディは日本語で、後半の質疑応答は通訳を交えて日本語と英語で 講義していただきました。資料も、Office of Fair Trading & Business Affairs発 行の最新版"Renting Statement of Rights and Duties"やCondition Receiptのサン プル、いざというときのクレーム機関の電話番号等が配布されました。会員の方から 「役に立った」という多くの感想をいただきました。ありがとうございました。

 McDonald 弁護士が色々なケースを元に作られたケーススタディを以下にご紹介し ます。


<ケーススタディ1>
日本人の友達同士3人でアパートを借りることにし、気に入ったので大家さんと数分 間面接をしました。しかし、経済的な状況を理由に断られてしまいました。その後、 不動産屋からの話では、申請を却下されたのはあなた方が日本人だからで、大家はア ジア人を好まないからだということでした。

<解決策>
1 一番簡単なのは、他のアパートを探すことです。人種差別の大家を持ちたい人は 誰もいないでしょう。
2 差別行為に関しては、ヴィクトリア州機会均等法違反ということで、大家から賠 償金を請求する権利があるかも知れません。この法律は、大家とテナントの関係な ど、様々な状況や関係における、様々な性質の差別をカバーするものです。もし、こ のようなことが発生した場合には、Equal Opportunity Commissionに知らせ、解決し ないときには弁護士のアドバイスを受ける方がよいでしょう。


<ケーススタディ2>
 さて、ようやくアパートを探し、入居しました。コンディションリポートにもサイ ンしましたが、それは紛失物、破損物についての記載が漏れていました。その上、ア パートに住んで3カ月後、それぞれの都合で契約期限の前に出ることになりました。 大家に報告すると、最後の6カ月分の家賃を支払わなければならないとのことです。 さらにアパートの破損と紛失物についても支払うようにいわれました。でもそれは入 居する前に既に破損・紛失していた箇所なのです。

<解決策>
 残念ながら、期間が定められた賃貸契約を結んだ場合、大家の同意なくして契約を 早めに終わらせることは出来ません。同意がないのであれば、テナントには契約が終 わるまでの家賃を支払う責任があります。もし賃貸契約の終了を早めたい場合には、 次の3つの選択があります。

1 大家の文書による同意をとりつける。
2 他のテナントに又貸しする。
3 Residential Tenancies Tribunalに申請する。

 この状況においても実用的な解決策は、アパートの又貸しですが、その場合には大 家の同意を得る必要があります。
 コンディションリポートに署名して承認した場合、紛失物の埋め合わせと破損の修 理がテナントの責任となることがあります、それゆえ不動産屋がくれたコンディショ ンリポートが正確ではない場合には、紛失あるいは破損している項目を自分自身で記 載してから署名する必要があります。また、それを大家に知らせます。アパートの修 理は大家の責任です。例えば、鍵が壊れているとき、自分で修理して請求書を大家に 送ることもできます。大家はあなたに経費を弁償しなくてはなりません。


<ケーススタディ3>
 何らかの方法で契約終了日を早めることが出来ましたが、大家は保証金を返してく れませんでした。そして、今回入居したアパートの隣人は同じくテナントですが、彼 らはゴミの出し入れも庭の手入れもしない上、来客が多く通路をふさいで車の出し入 れが出来ませんでした。今回の大家は予告もなく掃除夫をよこして合い鍵を使って入 り、掃除していきました。

<解決策>
1 今回の法改正で、保証金はResidential Tenancies Bond Authorityという第三者 の独立した組織に支払われるようになりました。保証金返却の際にはそこに自分で申 請するだけでいいのです。通常保証金は一ヶ月分の家賃と同じです。 2 隣人の件は、Body Corporate(管理組合)に相談してみましょう。このメンバー になるのは大家で、テナントではありません。隣人とも話し合ってうまくいかなけれ ば、
a) Dispute Settlement Centerの調停に行きたいか聞いてみる。
b) 隣人のアパートの持ち主に連絡する。テナントが地所を清潔にしているか、ま たドライブウェイの交通を妨げるなどの迷惑行為をしていないかを確認するのは持ち 主の責任です。  これでも解決しなければ、引っ越しを考えるか、または貴方に代わって介入しても らうよう弁護士に相談して下さい。

3 大家がアパートに入っていくことは出来ますが、最低一日前に予告しなくてはな りません。貴方には、「平穏所有権」があります。言い換えれば、アパートを平和に 使い楽しむ権利です。これにはプライバシーの権利も含まれています。

 このほかにも質問がたくさんありました。中には信じられないような話もあり、参 加者全員驚くような場面もありました。その中にいくつか参考になるものがあります ので、質問者のご了承を得て記載いたしました。


<ケース1>
 ルームシェアで、シェアメートの関係者が他のシェアメートのものを盗んでいま す。
<解決策>
 これは警察に届けるべきです。このパターンは大変よく耳にしますので十分注意し ましょう。


<ケース2>
 2年契約で、まだ1年以上残っているに、大家に「家を売るためオークションをす るのでインスペクションの時には家を空けて欲しい。売れたら、買い手によっては出 てもらわなければならないといわれました。

<解決策>
 契約は2年であるので、売れても出ていく必要はありません。その家の書いてはテ ナント付きで家を買うことになり、当初の契約通り条件を引き継がなければなりませ ん。インスペクションを拒否することは出来ませんが、インスペクションの際に盗難 にあったりしたときは、不動産屋の責任になります。家に入る予告は24時間前にさ れなければなりません。しかし、どうしてもわずらわしくて引っ越す場合、引っ越し 費用は原則として自分持ちですが、交渉次第では大家に出してもらえるかも知れませ ん。


問い合わせ先
賃貸借に関してトラブルが発生したとき、"Renting Statement of Rights and Duties"や各種クレームフォーム(書き込みをするだけで正式なレターが出来ますの で大変便利です。例えばテナントから家主に対する要求書、家主からテナントに関す る要求書等)を入手したい時
Office of Fiar Trading and Business Affairs
A Dvision of the Department of Justice, 2nd floor, 452 Flinders Street,
Melbourne 3000
Tel: 9627 6222 Free call: 1800 136 716
Fax: 9627 6223
Website: www.justice.vic.gov.au/OFTBA

差別に対するクレーム
Equal Opportunity Commission
380 Lonsdale Street, Melbourne 3000
Tel: 9281 7100 Free call: 1800 134 142

調停
Dispute Selement Center of Victoria
3/235 Queen Street, Melbourne 3000
Tel: 9603 8370 Free call: 1800 658 528
Fax: 9603 8355

問題がこじれた場合
Residential Tenancies & Small Claims Tribunal
55 King Street, Melbourne 3000
Tel: 9628 9800 Free call: 1800 133 055
Fax: 9628 9822