ニュースレター 19号

ホープコネクションからのごあいさつ

 豪州の国花ミモザの美しさをあちこちで目にし, 春の気持ち良さを感じています。また同時に、花粉症に悩まされる辛い時期に入りました。 

 さて、最近は国内外において暗いニュースが多発しています。米国で起きた同時多発テロ事件は世界中の人々を恐怖に陥れました。死亡した方達、行方が判明できていない方々を合わせますと七千人近いと発表されています。一日も早く世界の平安が訪れることを願いたいものです。豪州国内の出来事としましては、二大航空会社のひとつ、アンセット航空の突然の倒産発表による運行停止。これにより関連会社へも影響し、数万人が路頭に迷うという最悪事態となりましたが、この会社を救うための話し合いが連邦政府との間で進行中です。先ずは9月29日から、数機の運航実現にこぎつけたことは朗報と言えるかと思います。さらにコールスマイヤーデパートの大規模人員削減、大丸デパート閉鎖発表、そしてインドネシア経由で身の危険を犯してまでもオーストラリアへと移住したいボートピープル[難民]の記事が新聞紙面をにぎわしています。

 豪政府はこれらのボートボートピープルを、断固たる姿勢で入国拒否しています。5000人にも上ると言われる難民が人間らしい生活を求め、危険を犯してまでも、あらゆる手段を試みてオーストラリアへと向かってきます。これに対しての一般国民の考えは複雑、かつ意見は賛否両論です。

 日本人に直接関連したニュースでは、8月後半に南オーストラリア州アデレードで日本人女子留学生失踪事件がおこり、いまだ事件は謎だらけのようです。一日も早くこの女子留学生の消息がわかることを願っています。年々日本からの留学生が増える中、色々な問題も出てきています。生活環境、文化の違いによる誤解、さらには淋しさも加わって知らず知らずの内に孤独な世界へと、そんな時に匿名で相談できるホープコネクションをご利用ください。問題が大きくなる前の‘転ばぬ先の杖’役になれればと思っています。楽しい豪州生活ができるよう助け合っていきたいですね。

 次回ホープコネクションカルチャースクールはマークプレストン医師をお招きして親子で知っておきたいドラッグ、性教育などについてお話していただきます。詳しいことはカルチャースクールご案内(最後のページ)をご覧ください。

ホープコネクション設立5周年によせて   

ソーシャルワーカー 水藤 昌彦

 私がホープ・コネクションに関わるようになったのは、1996年、こちらでソーシャル・ワーカーの資格をとるために大学に通っていた時のことでした。電話相談の相談員の方たちへのスーパー・ヴィジョン、相談にまつわるさまざまなフォロー・アップ、そして運営資金源探しとホープの活動を通じて実にさまざまなことを経験させてもらいました。

 その経験の中で印象に残っていることのひとつとして、このオーストラリアの移民・難民に対する支援制度の充実があります。Migrant Resource Centre (MRC) をはじめとして Victoria Multicultual Commission、Ethnic Community Council of Victoria (ECCV)などの各種組織が、いろいろな場面で移民や難民の権利擁護のために活動しており、ホープコネクションの活動もこうした既存の組織の支援に支えられています。ゼロから何かを生み出していくにはたいへんな努力が必要であるということを考えれば、ホープコネクションが生まれ、現在まで活動を続けてくるにあたって、こういった既存の組織から受けた援助が果たした役割は大きなものがあったのではないでしょうか。

 移民・難民のもつ多様なニーズを満たすにはこれらの組織・サービスだけではまだまだ不足な面が多々あることは確かです。しかし、これらの組織がこの国に存在し現実に活動を続けているというその事実には十分な価値があると確信しています。

第18回カルチャースクール紙上レポート:

メルボルン「車生活あれこれ」

吉澤ドライビングスクール 吉澤通明

 第18回カルチャースクールの内容を講師の吉澤通明氏よりの寄稿でご紹介します。

天国と地獄

 メルボルンは、世界で一番生活しやすい都市に過去選ばれていますが、その条件の項目に「車での生活がしやすい」事が掲げられています。それは、渋滞がないことや車でのショッピングの際に駐車がし易いことなどです。逆にいうと、車がないと不便な都市ということになります。

 オーストラリアに生活する方々の中には、駐在、学生、永住いろいろな条件の方々がいますが、テーマに沿って考えると、運転の得意な方と運転の苦手な方(免許の有無に関わりなく)に大別できると思います。ある意味「運転が得意な人には天国」「運転が不得手な人には地獄」という事になります。

信頼の法則・疑いの法則

 信頼の法則・疑いの法則とは何かと申しますと、交通ルールの成立に基礎的な考え方の違いを見出しています。その違いについて例をあげてみましょう。

 まずは、日豪の考え方の違いですが、社会的な背景として「指示を待つ」傾向性のある日本と、「自らの意思を実現する」傾向性の強いオーストラリアです。

 次に道路交通法の成り立ちの違いです。日本は、ある程度成熟した車社会の考え方を輸入したところがあります。それは馬車から自動車の始まりという歴史的な変遷を経験していない点にあります。

 ここで多くを語るスペースはありませんが、必要性に応じてルールを作っていった欧米(豪州も含む)、そしてそのルールを輸入した日本。といった形になると思います。

 次が「契約の思想」です。日本では、出会い頭の事故などに関して、どちらがどこまで出ていたかなどと細かなところまで現場検証することと思いますが、こちらでは、そう言った際、どちらが譲るべきであったかが問題視されます。「交通ルールは契約」という発想に基づきます。

 その契約の内容は、「優先順位の考え方」に大きく現れます。例えば、STOP や GIVEWAY の標識に面した人は、交差点を出るまでその義務を課されている(豪州)事になります。それは、「ここまで出ていたから」(日本)という判断の規準が入る隙はありません。

 さらに、国土の広さが違います。日本のように道路にペイントをたくさん使うことができません。センターラインなどが書かれていない所でも、ないわけでなく、あるという前提でルールができています。ペイント代の節約をしているわけです。そこでは、運転を希望する人の責任が多く問われています。

 後は紙面の許す限り、箇条書きに説明します。本来はスライドの説明である点ご了承下さい。

1、道路の特徴:センターラインの有無、道路標示があるとは限らない。

2、停止線の位置など:交差点におけるギブウェイの破線の位置などが日本と違う。

3、路上駐車の許可:路上駐車は「いる」という前提で運転をした方がいい。駐車中の車などのドアは、日本のように後続車に気を使いながら開けることはほとんど無いので、ドアの開閉距離よりも近く通過することは避けた方がいい。

4、レーンの使用:キープレフトが原則になっている。3レーン以上ある場合、真中のレーンを使うと一番安全。信号などでは、このレーンが一番混んでいる可能性が高い。時間を惜しんで運転するというよりも、楽に運転する事を優先している。

5、制限速度の違い:住宅街は50Km制限、全般的に車の速度は速い。

6、スリップレーン:信号に関わらず進行できるが、例外的にスリップレーンを対象とした信号があるので注意が必要。歩行者には譲る義務がある。

7、 自転車レーン:左折、駐車などのために手前50m使用することは許可されている。自転車は日本(軽車両)と違い車両としての義務と権利を与えられている。

8、レーンチェンジ:初心者に対する教習として、ルームミラーの確認、方向指示器、肩越しの死角確認が徹底して義務付けられている。

9、ミラーの違い:オーストラリアの法律では、ミラー類は平面鏡を指定しています。日本のそれは凸面鏡であることが多く、視界の広さを重視しています。ここでは、距離感を重要視しています。

10、右折:右折時にレーンの指定がある場合、指定を守る。

11、右折の信号待ち:右折時に交差点の真中で信号が変わるまで待つ時がある、日本ではその際なるべく前に出てハンドルも切って待つ。ここでは、この動作は自殺行為として非常識な運転となる。対向車にとっても追突を受けた時に対抗車線に突っ込んでくる恐怖を持たせることになる。(日本の常識は時として、ここの非常識になります)

12、左折:左折時も同様

13、Uターン:日本は、基本的にUターンは禁止されていますが、ここでは基本的に許されています。出来ないところが指定されています。Uターン禁止、右折禁止など。

14、矢印の信号:日本と違い矢印の赤があるので注意。前方の信号が青でも矢印の方向が赤であれば、その方向には進めない。信号無視となる。

15、信号への対処の仕方:信号の間隔、その距離など日本と違い青信号を警戒することが必要、信号のある交差点に到達する時点で黄色及び赤に変わる可能性を警戒することが大切。停止距離を念頭に置き、停止のために必要な距離が無くなってから通過を決定するべき。

16、信号の種類:交差点の信号、又は横断歩道の信号の識別を怠らないことによって、信号が変わるタイミングをつかめる。

17、先を良く読むこと:大型車は20秒先を考えながら運転する必要があります。せめて4秒先ぐらいは普通車でも読めるようにしていきたいものです。

18、 急がないこと:信号などを含めて基本的に急ぐ運転をしないことが交通事故を起こさないコツ。その上で相手が突っ込んでこないかどうかを警戒しながら運転するぐらいのつもりなら、自分から事故を起こすことはまず無くなる。相手に急ブレーキをかけさせると、相手がかけなかった時に事故になっています。相手によけさせる運転をすると、相手がよけなかった時に事故になっています。相手に決して自分の身をゆだねない事が、自分の身を守るこつです。そう言う意味で「疑いの法則」で運転して下さい。

19、信号での停止位置:先頭の場合停止線を越えないことが大切なのは勿論のこと、停止車間距離は日本よりも広く取ることが一般的。万が一、前の車が立往生してもハンドル操作で避けられることを、準備した方がいい。

20、車線の増減:時間帯制限などの例外を除き、左側のレーンが増減していると思った方がいい。信号の時間の長さなども影響し、信号の直前で車線を増やし、直後に車線を減少させている。フリーウェイの合流などの原理で一貫されていると思った方が正解だ。

21、意思標示 :レーンチェンジなどですぐにチェンジできない時、日本ではキャンセルしますが、ここでは方向指示器は出し続けた方がいい。意思表示をキャンセルするとチェンジする意思の放棄になる。察してくれることは無いので、チェンジしたい意思は伝えなければならない。安全にチェンジできるまで待てばいい。

22、右方優先 :標識で制限されていない交差点では、右から来る車が優先される。車線の増減やランダバウトと合わせ、基本的に右にいる人を優先させるという感覚の方が道路上ではしっくりと来る。

23、標識:標識はその形からして法律上区分されています。八角形‐STOP、逆三角形‐GIVEWAY、ラウンダバウト、ひし形‐注意標識などです。自分が標識に面していない場合、相手が何の法律に面しているか裏から見ても判断できるようにしておきましょう。いざという時に相手の違反を指摘することが出来ます。

24、方向指示器:日本では方向指示器が出ている場合、出している車がその方向に行くという前提で運転できる。いわば「信頼の法則」が成り立つ。相手のドライバーも日本人である可能性が99%といっていい。しかしここでは、相手は日本人である可能性は99%無い。方向指示器を信じて行くと、裏切られた時に自分が悪いことになってしまう。方向指示器通りに行かないと思って疑ってかかった方が正解だ。

25、標示の無い交差点:日本と違い道路上のペイントがあまりない。交差点の中心に日本の道路上に書いてある◇マークをイメージしてその右側を通過するようにすると、右折車が相互に、法律上通過する地点を通過できる。ただ、相手が法律を守ってくると思っていくといつか裏切られる。その時はぶつかっている可能性が高い。

26、車線区分:レーン標示が無い場合でも道路の幅が充分な場合2レーンという認識で使い分けた方が安全、法律はそれを要求している。

27、歩行者:歩行者に対する優先事項は日本と違いあまり無いが、右左折をする場合譲る義務がある。逆にいうと直進車は歩行者に対して譲る義務が無い。

28、横断歩道:日本の横断歩道と違い、渡ろうとする人を探して、譲ろうとして行く方が、こちらの人と同じ運転に近くなる。ここでは、「歩行者は神様だ」と思っていた方がいい。

29、踏み切り:踏み切りは日本とは違い無条件の一時停止はしなくてもいい。むしろしない方がいい。追突される危険性の方が高い。踏み切りに GIVEWAY 及び STOP サインが立っている場合、その法律に従います。

30、学童横断路:ここでは横断歩行者に譲るという感覚ではなく、横断し終わるまで止まっているという動作が必要。歩行者の後ろを抜けて行くこと自体が違反。

31、ラウンダバウト:日本と違い、交差点の真中に島を作り、交通整理している。信号は、車を止めて交通整理しているが、ここでは必要以外止まらないこと。歩行者に譲る義務は右左折者に対しても無い。

32、トラム:トラムは基本的に神様だと思って、邪魔をしないこと。邪魔をしなければ右折やUターンはある程度自由に出来ます。時間帯の制限に注意すること。黄色線の種類にも注意して、朝夕の時間帯制限を確認すること。黄色の車線区分はフェアウェイルールといってトラムに関するものです。

33、縁石の黄色線:駐車が禁止されているという意味です。

34、レーンチェンジ:交差点内におけるレーンチェンジは、日本では禁止だ。ここでは明文化された禁止規定は無い。しかし、しない方が安全だ。日本と同じだと思っていた方がいいが、それでも必要な時は気にしないで実行しよう。

35、フックターン:トラムの通行を邪魔し無いように、右折車が左から次の信号を待って右折します。

36、チャイナタウン:歩行者天国だと思っていた方がいい。

37、マイヤー :横断歩道、歩行者の動きから心理を観察するといい。

38、市内の通行:トラムのある場合、直進は右、右左折は左側を走ると正解。

39、トラムレーン右折:フックターンの標識がない場合フックターンできない。

 以上ちょっと尻切れトンボのような形になりましたが、各項目をもって内容を把握してください。

日系コミュニティー団体紹介 「JCV実りの会」

 シリーズで日系コミュニティー団体のご紹介を掲載しています。今回は、ヴィクトリア日本人クラブ(JCV)の中にある「JCV 実りの会」からの寄稿をいただきました。

 以前、「シニア会」と呼ばれていたのですが、メンバーがシニアばかりだと運営、準備がたいへんになり、3年前に「実りの会」と名を改めました。将来、日本人コミュニティーで高齢化に向かうネットワーク作りの勉強会をしています。

 平成12年10月1日現在、メルボルン総領事館発表のヴィクトリア州在留邦人の数は:

 長期滞在者 4058  男性 1652  女性 2406

 永住者   2853  男性 1059  女性 1794

 合計    6911

 この他に国際結婚し国籍を変えた人、短期滞在者がいるのですが、上記の数字を基準にしてみると、

 2001年 65歳以上を 5 %として、 350人

 2020年    10 %   700人

 2051年    20 %   1400人

の該当者が出ることになります。

 日本で抱えている高齢化問題に加えて、海外で生活をしている元日本人/在留邦人が考えていかなければいけない問題が、言葉と、環境の問題でしょう。家族揃って移民してきた家族で、大黒柱のお父さんが先に逝った場合、お母さんは残った家族を守っていけるでしょうか?国際結婚をしている夫婦が痴呆症で英語を忘れてしまった場合、充分なコミュニケーション、介護ができるでしょうか?

 オーストラリア政府のAged Care Systemは、現在介護者の不足、資金難が始まっており、これから10年、20年後、どのようになっていくか定かではありません。イタリア、ギリシャ、中国、ヴェトナムなど以前の国籍を共にするグループも自分達の入れる Nursing Home や Retirement Houseを作っています。人口の限られている日本人コミュニティーでそのような設備が作られるかどうかはわかりませんが、介護を必要とする人がいれば手伝いに駆けつけられる「助っ人」グループを作ろうではないか…というのが「実りの会」の目的です。

 そのために保険や車椅子に乗ってみる体験、オーストラリアのシニアのグループとの交流や、視覚・聴覚が不自由な人々をサポートするグループとの話し合いなどを行ってきました。JCVが母体ですが、先日クラブで行ったアンケートではクラブに入っているかいないかは問わず、話し相手や、買い物の手伝いなど、日常のちょっとしたことを手伝えるようなネットワークを作ることができれば良いと考えています。

 しかし、まだほとんどが働き盛りで時間の余裕がなく、毎月の例会が第3火曜の10:30 amということもあって集まることが難しいようです。「夜や週末なら参加することができるのだけれど」という声もあるのですが、そうすると足の便が無いシニアのかたがたが参加できないと言うことになります。参加できない人たちのために、日本語新聞などで記事をだすことは報告の意味を持っています。 オーストラリアの人たちも、「定年になったからそろそろボランティアーとして働こうか?」と考えるようで私たちも後5年、10年先を目指しているのです。(その頃には世話をされるほうになってしまうのですが)御興味がありましたら一度会に顔を出してみてください。

 10月の実りの会は「Aged Care 施設訪問」を予定しています。CAE のVivian Decleva先生が特別に付き添いして下さり、普通にナーシングホームを訪問しても見落としがちな「つぼ」、つまり、ケアの中味をチェックするポイントを教えて下さいます。ナーシングホーム選びの選考にしていただければうれしいです。また、このような施設で働くボランティアの資格や責任範囲についても説明していただく予定です。 

 詳細、場所はお問い合せのあった方に直接ご連絡いたします。

日時:10月16日(火) 11:00am〜1:00pm

  場所:会場詳細は下記連絡先にお問い合せ下さい

  会費:大人$10(会員)、$15(非会員)

  連絡先:まり  9397-8421

      みどり 0418-540-865

      いずみ 0419-588-498