ニュースレター 17号

ホープコネクションからのご挨拶

 暑かった夏もようやく過ぎ去りました。雨量も少なく、水不足が心配されます。これらの気象傾向が「地球温暖化」現象かどうか厳密にはわかりかねますが、消費中心の「第一世界」に住むわたしたちのライフスタイルへの警告と思うのは考え過ぎでしょうか。急激な工業化による公害、戦争による環境破壊など20世紀で深刻化した問題はそのまま今世紀に持ち越されました。「持続可能な発展」、「国の安全保障」から「人間の安全保障」へという考え方が、地球規模の問題への「オルターナティヴ」として、ますます現実味を増してきています。わたしたちが個々に抱える問題も、こうした背景と無縁ではないでしょう。

 前書きがやや長くなってしまいましたが、日本では、3月、4月は卒業、入学、異動のシーズンとなります。メルボルンに転勤となって来られる方、あるいは留学、研究等で来られる方が多いのではないでしょうか。ホープコネクションではこの時期にいらした方々のために、毎年5月のカルチャースクールは、「新来豪者セミナー」を開催しております。早く、スムースにメルボルンでの生活に溶け込んでいただこうと、実際役立つ情報を盛りだくさん用意してございます。セミナーの詳しいご案内は最終ページをご覧ください。

 わたくしどもの活動では、ネットワーク作りにも力を入れております。新企画としまして、今号ニュースレターより、随時他団体の紹介もいたします。こうした団体とも協力関係を築き、よりよいサービスの提供を目指しております。今回は、シドニーで活躍中の「ケアネット」(代表、保坂佳秀氏)さんを取り上げます。

オーストラリアの移民法・ビザについて

日豪サポートサービス 加茂前 千代

 去る2月17日(土)ホープコネクション_カルチャースクールにて日豪サポートサービスの加茂前千代さん(移民代理申請人 登録番号 0100818)より標題についてお話をしていただきました。また当日はERSKINE RODAN & ASSOCIATES BARRISITERS & SOLICITORSの移民法専門弁護士 Christine J. Rodan さんにも御参加いただき、詳しい質問にお応えいただきました。以下の記事は、加茂前千代さんが当日のお話を中心にまとめられたものです。

 オーストラリア国籍を持たないオーストラリア住民は全て何らかの形でオーストラリア移民法の制限を受けています。しかし、オーストラリア移民法は改正が頻繁に行われ、複雑化されることもあり、把握しにくい法規といえるでしょう。今回のセミナーではオーストラリア移住を希望する日本人の多くが、申請対象とするビザカテゴリーを紹介しました。

 

配偶者移住(Spouse/ De Facto)

 配偶者移住プログラムにより、オーストラリア国籍または永住権保持者、そしてオーストラリア永住資格を有するニュージーランド国籍保持者と婚姻、婚約そして同棲関係にある者は永住権の取得が可能である。ここで「配偶者」とは、スポンサーもしくは指名者 (オーストラリア側)の夫、妻、内縁関係の相手を指す。ディ・ファクトで申請する場合は、申請直前の12ヶ月間内縁関係が存続していなければならない。オーストラリア国内外を問わず配偶者として永住権を申請する場合は、2段階の審査過程をもって決定がなされるが、申請は1度だけとなる。

 オーストラリア国外で申請する場合は、第一段階として配偶者(仮)ビザを申請し、次段階で配偶者永住ビザの申請となる。国内申請の場合は、第一段階で配偶者一時滞在ビザ、次段階で配偶者永住ビザとなる。審査過程のどちらの段階においても、二人が真正な配偶者としての関係を保持しているか移民局の主要な審査基準となる。申請者の扶養家族(子供や老齢者など)も、配偶者移住申請に含まれる。配偶者移民ビザの申請料は1075豪ドルである。

 

婚約者(Fiance(e)s)

 オーストラリア側婚約者と結婚予定の海外在住申請者は、Prospective Marriage (結婚見込み)ビザを申請できる。同ビザは発給日から9ヶ月間有効で、この期間内にオーストラリア入国、結婚そして永住ビザの申請をしなければならない。これらの条件を全て満たすと申請者には配偶者一時滞在ビザが交付され、それから2年後に関係が継続していればその時点で配偶者永住ビザが交付される。一時滞在ビザでオーストラリア国内にいる者は、婚約者ビザを使い滞在期間延長を申請することはできない。この状況に対応できるビザカテゴリーはない。スポンサーそして指名者は、オーストラリア国籍または永住権保持者、そしてオーストラリア永住資格を有するニュージーランド国籍保持者で18歳かそれ以上でなければならない。

 

技術独立移住(サブクラス136)

 このビザを取得できるのは、特定の分野において熟練し、オーストラリアでの高い雇用機会を見込まれる技能を持つ人物であり、オーストラリア経済に貢献できる者である。その技能がオーストラリアの水準に見合うかどうかの審査も必要となる。申請者は、45歳未満であり一定水準の英語能力を有することが求められる。

 

申請における基礎条件

・年齢  申請時に45歳未満であること。

・英語能力  オーストラリア国内で仕事が充分にできるレベルの英語能力が必要である。実務英語、具体的には英語能力試験IELTS(International English Language Testing System) の各項目(文章力、読解力、聴解力、会話力)で少なくとも5点以上取得することが要求される。英語能力が直接関係する職種の場合には、技能審査においてより高い英語能力が必要となる。

・資格  高等教育機関(大学や専門学校など)を修了した者であること。(職種によっては、その分野での十分な職歴での代用が可。)また申請者の指名する技能職がオーストラリアの当該職業認定審査機関で評価されなければならない。

・指名する職業  申請者は自分の技能や資格に見合った職業を指名することになるが、その職種が移民規定の技能職一覧に載っていなければならない。一覧にない場合は、申請不可。

・実務経験 申請者の職業が技能職リストで60ポイントに相当する場合、ビザ申請の直前18ヶ月の間に12ヶ月以上の実務経験が必要となる。40か50ポイントの場合は、ビザ申請の直前3年の間に2年以上の実務経験が必要になる。また職種によっては、技能認定のためにより長い期間の実務経験が必要条件となることもある。

・オーストラリアの資格取得者への免除申請者がビザ申請の直前6ヶ月以内にオーストラリアの資格や学位を取得した場合、実務経験は免除となる。この6ヶ月期間は資格・学位取得のための教育活動完了日からであり、資格・学位授与日からではないことに留意。

 

ポイントテスト

 この独立移住ビザでは各審査項目においてポイントが設定されており、申請者は最低110ポイントが必要となる。審査項目には、技能、年齢、英語能力、実務経験、高度需要職種、オーストラリアの資格・学位、配偶者の技能、ボーナスポイントとして指定言語での能力や国債投資などがある。

 また申請者かその配偶者にオーストラリア国籍または永住権を取得した近親者がおり、スポンサーになれる場合は申請者にボーナスポイントが与えられる。この条件下では2つのビザ取得方法があり、それぞれ「技能―特定地区居住スポンサー」、「技能―オーストラリアスポンサー」となっている。一般に申請者は健康診断と性格適正審査を受ける必要がある。

申請料は1075ドルである。

 申請はオーストラリア国外での提出・審査となるが、申請者はオーストラリアの職業認定審査機関から該当技能の審査を受けなければならない。

 時間の関係でその他のビザカテゴリーまでカバーできなかったが、オーストラリアで退職後の生活を送りたい55歳またはそれ以上の人対象の退職者(サブクラス410)、事業主や幹部役員、投資者が海外から申請できる事業技術移住、国内の労働市場では発掘できず、且つ既存の訓練プログラムでは育成不可な高度な技術者を多国籍の人材から採用する雇用主指名制度(ENS)などもあり、個々の状況、経歴、才能に最も合致したビザカテゴリ―で申請するのが最も有利であり、信頼できる法律家に相談する事が大切である。

 

ここに記されました全てのビザ情報は一般的なガイドラインで、各ケースによって該当するビザ、その他の詳細が異なりますので複雑なケースは信頼できる法律家の助言や補助を受けられることをお勧めします。なお、このビザ情報はERSKINE RODAN & ASSOCIATESによって提供され全て2001年2月8日現在の移民法を基にしたものです。

日系コミュニティー団体のご紹介:シドニー日本クラブの「ケアネット」

 本号よりオーストラリア内で活動されている日系団体(非営利)をご紹介します。特に私どもの活動と連携、協力などで接点が持てる団体に登場していただきます。今回は、高齢者の日本人にボランティア派遣などのサービスを行っている「ケアネット」を組織された保坂佳秀氏にご紹介の記事をお願いしました。

 シドニー日本クラブ(JCS)は1983年に創設されましたが、当時技術移住者の来豪が続いたことから、これらの新移住者の受け入れ態勢を整えることと、いわゆる戦争花嫁さんの高齢化に備えることが主な目的でした。

 10年ほど前に、NSW州でナーシングホームに入居している日本人が3人居るとの調査結果が出たので、詳しく調べたところ、一人は多分亡くなったらしくて詳細不明、一人は日本語を話す中国人、一人は家族が面倒を見ているのでお構いなくとのことで、具体的な行動はとれませんでした。

 

コミュニティ・ビジター

 この時の調査で、NSWクラスタリング・プロジェクトのマネージャー Mrs Grace Leeと知り合い、その後日本人がナーシングホームに入居をすると、クラスタリング・プロジェクトのコーディネーターから連絡が入り、コミュニティビジターのボランティアを始めることになりました。

 コミュニティ・ビジターとは、ホステルやナーシングホームに入居をしている人の希望で、同じエスニック・コミュニティから定期的に訪問をして、入居者が社会から隔離されて、孤独になることを防ぐために設けられた、連邦政府の施策です。

 現在シドニーでは、4人の入居者に4人のボランティアが対応しています。一人の入居者に一人が担当をします。

 

ホットライン

 前回1996年の人口統計で、シドニーには当時65歳以上の日本人が200名ほど居ることが分りました。 ビザの関係で、80歳以上の方は非常に少ないことも分っておりましたので、今後急速に福祉ボランタリーの必要が高まると予想をして、JCSの中に福祉委員会を設け、ケアネットとしてホットラインの電話受付を始めました。現在17名のボランティアが、シドニーを4地区に別けて受け持っております。

 

ホームビジター

 一人暮らしの方が、一人で生活を続けることが困難になると、高齢者施設(Residential

Aged Care Facilities)に入居をすることになるのですが、現実問題として、ウエイティング・リストがあって、中々入れません。政府としては、予算を切りつめるため新設の施設を許可しないで在宅サービスに力を注いでいますが、家にケアをする方が居ない場合は本当に困ってしまいます。これに対応するため、今年度からケアネットでホーム・ビジターを始めました。ボランティアの方に、希望者の家を定期的に訪問して頂いて、色々な相談に乗ります。高齢者には、英語の不自由な方が多いので、ACAT(Aged Care Assessment Team) との交渉や医者、ホームケアサービス、訪問看護などの機関との連絡に当ります。

 依頼者が施設に入居した場合は、引き続きコミュニティ・ビジターとしてサポートをします。

 

ボランティア・バンク

 時間的に制限があるけれどボランティアを希望する方には、ボランティア・バンクに登録をして頂いて、必要に応じてご都合を伺いながら協力をして頂いています。

 

クラスタリング(Clustering)

 既設のホステルやナーシングの中に、同じエスニックの入居者が3人以上集まりますと、クラスターとし

て認めてもらうことが出来ます。現在シドニーに、オーストラリア唯一の日本人クラスターがあります。

 クラスターになりますと、施設管理者との話し合いで、スタッフに入居者の文化背景(食べ物や宗教など)の講習をして理解を深めてもらったり、日本人のスタッフを採用してくれるように働きかけることが出来ます。日本人は数が少ないので、独自の施設を持つことは極めて困難でありますので、このクラスター施策を有効に活用したいと考えております。

 

月例会

 毎月、第二土曜日の午後1時から3時まで、カウンシルの部屋を借りてワークグループ・ミーティングを行っています。最初の一時間は、ボランティア同士の打ち合わせで、各自の担当している依頼者の状況に付いて意見交換を行います。問題があれば皆で相談をして、解決法を探します。後半の1時間は、ボランティアのトレーニングです。

 福祉のボランティアは、台風や地震災害のような一過性の活動と違って、依頼者の相談に応じられるような専門的な知識が必要ですし、何年にも亘る長期間の人との関わり合いがあります。従って、ボランティアも日ごろからオーストラリアの福祉システムや機関との対応の仕方、痴呆症に対する理解や、対人関係の知識を貯えておくことが必要です。

 ボランティアを希望する方は、まずトレーニングに参加をして頂いて、ボランティアに付いての理解をして頂いています。

 

ボランティアの基本的な心構え

 ボランティアは、福祉の専門家ではないので、依頼者のお友達と定義をしています。依頼者は、困った時にはお友達に助けを求める積もりで、ボランティアに連絡をして頂きます。ボランティアは、依頼を受けたら、お友達に接する気持ちで、できる限りのお手伝いをします。

 依頼者のプライバシーを守るために、依頼者の個人情報はボランティア同士で必要な時以外は守秘義務を守って頂きます。

 

 以上がシドニー日本クラブで現在行っている福祉活動の概要です。

詳細に就いては、全豪ネットワーク・ホームページの「高齢、障害者福祉情報」をご覧ください。

http://ozemail.com..au/~camellia/JCA.htm

 

国勢調査(Census)に協力しましょう

 来る2001年8月7日(火)に、5年に一度のオーストラリアの国勢調査であるCensus が行われます。オーストラリア国民だけでなく、この日にオーストラリアにいる全ての人についての調査です。したがって、永住者や留学生・駐在者などの一時滞在者はもとより、旅行や出張などでたまたまその日に滞在している人にも記入してもらうことになっています。

 Census はオーストラリアの様々なところで、施策決定の重要な基礎資料になっています。是非皆さんご協力下さい。さらに詳しい情報は、以下の Census Inquiry Serviceまでどうぞ。

www.abs.gov.au/census または137 219 (英語) / 137 206 (他言語)  7月28日-8月30日

 ホープコネクション日本語電話相談でもご質問をお受けいたします。

 

時速50kmの速度制限の導入

 2001年 1月22日から都市部の住宅地域、家屋密集地域での運転速度制限が時速60 kmから50 kmに引き下げられました。これに関するVicRoad のホームページからの情報を要約してお伝えします。

 住宅地域の道路の制限速度が、時速60 kmから50 kmに引き下げられました。家屋密集地域の制限速度表示のない道路には、すべて時速50 kmの制限速度が適応されます。制限速度が50 kmを越えるかあるいはそれより遅い場合にはこれまで通り速度制限が表示されます。高速道路、幹線道路、その他の主要道路にはこれまでと同様の方式で速度制限が表示されます。

ある道路について制限速度が定かでない場合、「速度表示がなければ、制限速度は時速50 km」と基本的には考えて下さい。また、特定の道路の制限速度に関する情報は、その地域の local council に問い合わせて下さい。

 違反した場合には警察によって摘発されます。

 オーストラリア国内外での研究成果から、今回の速度制限引き下げによって人身事故が少なくとも10%は減少するものと見込まれています。その他、騒音や排気ガスの減少による住環境の改善も期待できます。

 都市部の道路で速度表示がない場合は、50 kmが制限速度です。今回の改訂についてのさらに詳しい情報は、VicRoad 1300 306 745 にお問い合わせ下さい。