ニュースレター 10号

ホープコネクションからのご挨拶

 今年の秋はメルボルンとしては例外的に良い天気に恵まれました。青く晴れ渡った空と澄みきった空気、黄色や紅を美しくまとった立派な木々.秋はやっぱりこうでなくてはと思ったのは私だけでしょうか。

 そんな美しい風景の中で聞くヨーロッパでの戦いのニュースは一段と悲しいものに感じられました。やっと事態は収拾に向かい、難民の帰還も始まりましたが、戦火の傷跡を癒すにはどれほどの年月がかかることでしょうか。二つの民族の間の憎しみを消せる日が果たして来るのでしょうか。Multiculturalism のもとに、多くの民族が共存していこうとしているこの平和な国に生きている幸せを強く意識せずにはいられません。

 でも平和な国にも多くの不幸が存在していることも事実です。例えば麻薬。日本ではまだ一般の人々には縁遠いと感じられる問題かも知れませんが、オーストラリアでは secondary school の中でのヘロインの売買が事件になり、しかも多くの人がそれを例外的とは受け取らないほど身近な問題です。

 ホープ・コネクションの今回のカルチャー・スクールではこの問題を取り上げ、オーストラリアの現状を知るとともに、私たち自身・家族や身近な人々が麻薬の害にあわないためにはどうしたらよいのか、専門家のお話を伺うことにしました。日本語通訳付きでのセミナーです。特に麻薬との距離が近いと考えられる若い方々、その両親・保護者の方々を含め、多数のご参加をお待ちしております。このセミナーの詳細については、本誌4ページ目をご参照ください。

「日本の社会福祉制度」介護保険(最終回)

 連載を一回休みましたが、今回は介護保険についての最終回です。来年4月に運用開始が予定されている介護保険について、とくに海外に暮らす方々への影響について述べてみます。なお、今回の記事の内容は筆者が住む市の老人福祉課に問い合わせた結果に基づいています。前回のこの項で述べたとおり、介護保険を実際に実施、運用する保険者となるのは各市区町村あるいはそれらが合同して運営する事業体です。この記事に書かれた海外居住者への取り扱いはすべての保険者が共通して適用する原則ですが、個別のケースについては住民登録をしているそれぞれの市区町村にお問い合わせください。

 介護保険制度が実施されると、被保険者の居住する各市区町村が「加齢に伴い」介護が必要となったと被保険者を認定(要介護認定)したときに、在宅または施設での介護サービスが受けられるようになります。そしてこれは「保険制度」ですから、要介護認定を受けて介護サービスを受けるためには当然保険料をあらかじめ支払っておく必要があるわけです。前々回の連載のなかでも述べましたが、保険料は65歳以上の方の場合、2000年度で全国平均月額2500円程度と見込まれています。40歳以上65歳以下の方の場合は、医療保険に加入している人が対象となり、保険料は加入している医療保険の算定方法に基づいて設定され、医療保険料と一括して支払うことになります。しかしこれはあくまでも平均であり、実際の保険料は居住する市区町村によって違いますし、被保険者の年齢によっても上下することになります。また、最近の新聞報道によれば保険料はこの予想額よりも高くなるという予測もされています。

 海外に居住されている方の場合はどうなるのでしょう?まず保険料の支払いについてですが、結論からいうとあなたが日本国内に住民登録をしていて、なおかつ日本の医療保険制度に加入している40歳以上のかたであ

る場合のみ保険料を支払うことになります。つまり、現在日本国内のどこかに住民票があり、日本の企業で働いていて日本の健康保険によってカバーされているか、あるいは日本で国民健康保険制度に加入している方は保険料を支払う必要があるわけです。配偶者の方も同様です。そのほかの方の場合は介護保険料の請求のみがされることはありません。例えば日本企業で働いていて、日本の医療保険に加入されている方は、今までの医療保険料に加えて介護保険料が請求され、毎月の給与から天引きされます。しかし、こういった医療保険に加入されておらず、日本で住民登録をされていなければ、介護保険料は支払わないということになります。ただし、日本で老齢・退職年金を受けている方で、日本で住民登録をしていて、なおかつ日本の医療保険制度に加入している場合はこれらの年金から介護保険料が天引きされます。

 次に介護サービス給付開始の認定についてですが、各被保険者が要支援あるいは要介護状態にあると思われるときは、まず居住している市区町村(保険者)に「認定申請」を行います。そして被保険者が要介護状態にあるのかどうかを保険者が審査し、その審査をパスすれば、つまり「要介護認定」を受ければ介護サービスの給付が開始されます。要介護認定の申請受け付けは今年の10月から住民登録されている市区町村の担当部署で始まり、介護サービス提供と保険料の支払いは2000年の4月から始まる予定です。現在海外にいらっしゃる方の場合、要介護認定を申請するには、審査を受けるために日本に帰国する必要があります。審査は保険者が派遣する調査員からの面接を受けなければならないからです。また、認定を受けた後の実際の給付も、指定事業者からの介護サービスという「現物」の形で行われ、現金給付はありませんので、この介護保険によるサービスを受けるためには物理的に日本に居住しているしかないわけです。

 では、いま現在オーストラリアに住んでいらっしゃる方が日本に帰国され、いずれかの市区町村に要介護認定の申請をしたらどうでしょう?こうした場合、その方が申請を出す市区町村に住民登録をし、介護保険に加入すれば、それ以外の申請と同様に審査されます。そして、これは申請が帰国の直後であったり、それまでオーストラリアに居住しているあいだ保険料を支払っていなかったとしても同じです。筆者が話した市の担当者によれば、こうしたケースは現在実施されている国民健康保険制度に準じて取り扱うことになるといいます。つまり、保険料支払いの期間の長短にかかわらず、介護保険に加入している限り、要介護認定を受ければサービス給付を受けることができるというわけです。この原則は申請を出す市区町村に関係なく、一律に適用されます。

 なお、介護保険制度は現在具体的なシステムの検討段階にあり、ここに書いた内容はあくまでもこの原稿執筆時での情報をもとにしていることを書き添えておきす。

(Hope Connection 顧問ソーシャルワーカー 水藤昌彦)

恒例となった新人生活講座 (カルチャースクール紙上レポート)

 去る5月8日(土)に,ホープコネクション恒例の「メルボルン新人生活講座」が開催されました。今回は広告期間が短かったためか,昨年よりは小人数となりましたが、各種の質問が飛び交い、つつがなく終わりました。

 この新人生活講座は,新たにメルボルンで生活をはじめた方々のために必須で便利な情報を提供して早くこの都市に馴染んでいただくために、ホープコネクションの設立時から催している講座です。今年は次のような内容で進行しました。

1. 通訳サービスについて :利用すると便利な事項、  

 場所、サービス機関名、連絡先など。

2. メルボルンの公共交通機関について :Met につい

 て、切符の買い方、電車の乗り方、切符の種類、注 

 意事項など

3. Yellow Pages, White Pages, Melway, Community

 directory の利用方法、内容、便利な使い方入手方法

 など

4. 日本語情報誌/日本語放送のご紹介: 各情報誌の

 入手法、放送時間など

5. 住居あれこれ : 貸家の探し方、契約、契約解除、

 トラブルの相談機関など

6. 銀行とクレジットカード の話:銀行口座、各サー

 ビスの内容、クレジットカード利用法など

7. 医療について :医療機関、予防接種など

 

 それでは、そのうちのいくつかをご紹介します。

【銀行の話の中から】 オーストラリアの銀行口座には、日本の銀行にはない手数料の制度や入出金のたびにかかる税金が適応されています。そのため注意しておかないと、銀行に預けたお金が増えないばかりか逆に減ってしまうことにもなりかねません。預金の利子を当てにできなくなった昨今、銀行側も消費者に申し訳ないと思うのか、手数料や税金を節約する方法を下記のようにアドバイスをしています。

・銀行手数料、税金を節約する方法 .テレフォンバンキングやインターネットバンキングを使う。(注1)

・口座やクレジットカードから自動引き落としを使う。

・スーパーで買い物したときにEFTPOS システムを利用し、一度に買い物と出金をする。(注2)

・ATMで少額を何回もおろすのではなく、ある程度の金額をおろし、回数を減らす。

・小切手をきるとGoverment Debits Tax がかかるので、振り替えの時などは小切手はきらない。(注3)

・毎月一定金額を無料で口座から口座へ振り替えてくれる自動振替を利用する。

・請求書をクレジットカードか BPAY で払う。(注4)

・ATM を利用する.

・給料を自分の口座に振り込んでもらう。

・自分の口座とクレジットカードを連携させる。

・残高が手数料不要の範囲内か常にチェックしておく。

(注1)銀行に登録することによって、自宅の電話やコンピューターを使って銀行取引ができます。

(注2)スーパーマーケットなどでキャッシュカードで支払うと同時に出金もできるシステム。"Extra cash?"とか、"Cash out?" とよく聞かれます。

(注3)小切手は現金化するまで時間がかかるので注意する必要があります。

(注4)クレジットカードは入会金が必要ですが、ポイント制もあったり、身分証明にもなる場合があるので便利です。BPAY は、請求書を出す会社と提携した銀行が、貴方の銀行口座から請求金額を引き落とします。両方とも電話で支払いができます。

 

【電車・バス・トラムの利用,乗車券などについて】

・トラム内ではコインでしか乗車券が買えません。小銭の用意をお忘れなく。

・乗車券購入の自動販売機は20ドル札以上の紙幣はうけつけません。乗車券不携帯の場合、見つかると100ドルの罰金が科されます。あらかじめ Met ショップ・ニュースエージェンシー・有人駅などで買っておかれることをお勧めします。

・たまに自動販売機が壊れていて購入できない場合があります。下車駅で駅員に説明してその場で購入して下さい。その際どの駅の機械が壊れていたのかはっきり言いましょう。万一罰金を科せられるような事態になった場合、書面にて不服申し立て(Appeal)をすることもできます。

・自動販売機からお釣りが正確にでないこともあります。たった10セントや20セントのことであっても、苦情を言い書類を書いて10セント小切手を受け取った人の体験が最近新聞の読者欄に載ったこともありました。消費者の権利またサービスの向上のためには、こうしたささいな問題も指摘することは大切かも知れません。

・お得な乗車券・・・ゾーン1の10回の回数券(2時間券)は、大人で19.50ドルですが、利用の仕方によっては、1日券を5回分買うより(4.40 x 5 = 22.0 )2.50ドルの節約となりカプチーノ1杯分が浮きます。またゾーン2及び3からゾーン1まで乗車する場合、オフピーク乗車券がお得です。午前9時半から4時までおよび午後6時以降に乗車する場合この券が使え、例えばゾーン1&2の通常料金は 7.10ドルですが、オフピーク券ですと 5.30ドルになります。

・夜間乗車の際は安全を考え、運転手の近くに座りましょう。

・Met のヘルプラインは、1800-652-313 です.乗車券、タイムテーブル、その他の問い合わせ、苦情はここに連絡して下さい。